ベネズエラ・コロンビア国境で非正規戦闘頻発

   バイデン米政権が発足後の2月ごろからベネズエラ・コロンビア国境地帯での武力紛争が頻発している。VEN政府は、米南方軍、COL政府、COL非正規武闘集団の合作によるVEN政府揺さぶり作戦と観ている。

  オリノキーア(オリノコ川流域)とアマソニア(アマゾン川流域)にまたがる両国国境地帯のVEN側でFANB(VEN国軍)と非正規部隊との小規模な戦闘が断続的に続き、これまでに非正規兵9人が死亡、33人が逮捕・起訴され、VEN軍事法廷にかけられている。

  さらに非正規部隊の野営地6カ所が破壊され、爆発物、武器などが押収されている。戦闘の中心地であるアプレ州パエス市所属く地域では非正規部隊が地雷を敷設している。VENは2013年5月、「地雷完全撤去国」になったが、それ以来初めて地雷敷設が明らかになった。

  FANB側は戦闘で兵士8人が死亡、34人が負傷している。

  オバマ元米政権は2015年3月、VENを「米国の安全保障の脅威」と決めつけ、マドゥーロ政権打倒工作を公式に開始。後継のトランプ前政権は、フアン・グアイドー傀儡体制を擁立しつつ、対VEN政経外交封鎖を強化していた。クーデターも数回仕掛けたが、ことごとく失敗した。

  14年12月に対玖国交正常化を決めたオバマの戦略は「国交再開により社会主義キューバを軟化させる一方、強敵ウーゴ・チャベス前大統領が死去したVENの後継体制を潰す」というもので、オバマの副大統領だったバイデンは、この政策に従っている。

  昨年の米大統領選挙でトランプに肉薄されたバイデンは、米有権者の右翼・保守体質を警戒しており、来年の中間選挙をにらみつつ、VEN叩きを戦術として使っている。

  米政府は南方軍の関与を公式には認めていないが、南方軍やCiaの関与は「常識」で、COLと組んで「汚い戦争」を開始したのは疑いが濃厚だ。 

  一方、VEN陸軍作戦戦略司令部は、アプレ州内で犯罪行為をしていたメキシコ人一人を9日逮捕したと明かにした。墨麻薬マフィア「シナロアカルテル」の要員という。

  

  


  

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