ペルー大統領選挙決選支持率はカスティージョ優勢

    ペルー大統領選挙決選(6月6日)の第1回支持率調査結果が4月19日公表された。11日の第1回投票で1位になった自由ペルー党のペドロ・カスティージョ候補(51)が42%、2位だった人民勢力党のケイコ・フジモリ(45)が31%で、カスティージョが優勢。

   両候補とも気に食わないと白票・無効票を投じると回答したのは16%、未決定は11%だった。これらを合わせた27ポイントの切り崩しと獲得が勝敗を分けることになる。

   首都リマではケイコ43%、カスティージョ26%で、ケイコが強い。だが地方部ではカスティージョ51%、ケイコ27%で、カスティージョが引き離している。 

   この地方票の在り方は、都市部での新自由主義支持を、貧困渦巻く農村部の国有化経済志向支持が凌駕していることを物語る。

   ケイコには反フジモリ主義の攻撃に晒されているという不利な条件が付きまとっている。収賄・資金洗浄容疑で起訴され、未決囚として収監され保釈中の身でもある。

   一方、禁錮25年の刑に服役中の元フジモリ大統領顧問ブラディミロ・モンテシーノス は、刑務所内からケイコ支持を呼び掛け、ケイコの実弟でケイコと仲違いしたケンジ・フジモリ元国会議員に姉との和解を求めている。

   モンテシーノスは諜報機関SINの長を務めていたが、その機密任務が暴露され、自らの失墜とフジモリ失権を招いた。2026年に刑が満期となるが、それ以前に釈放される可能性がある。

   この暗い人物の支持表明はケイコには有難迷惑で、反フジモリ主義の火に油を注ぐ効果を招きかねない。

▼2党がカスティージョに対話求める

   第1回投票に敗れた穏健左翼、環境保護派のベロニカ・メンドサが率いる「拡大戦線」党は4月21日、ペドロ・カスティージョの決選1位進出は、「新自由主義体制下で長年虐げられていた貧者が反逆した結果」と論評し、カスティージョ候補との話し合いを希望した。また直接民主党のアンドレス・アルカンタラ党首も話し合いを求めている。

   一方、ケイコ・フジモリは21日、エボ・モラレス元ボリビア大統領に向けて、「ペルー情勢に介入しないよう」要求した。モラレスはカスティージョ支持をあからさまにしており、第1回投票でカスティージョが1位になると、「我々はペルー勝った」と発言した。

▼カスティージョがリード拡げる

   4月22日公表の最新支持率調査ではカスティージョ41%、ケイコ26%、白票・無効票15%だった。残る18%は未決定の浮動票。


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