エクアドール大統領選挙決選は大接戦

   赤道国(エクアドール)で4月11日、大統領選挙決選投票が実施される。2月7日の第1回投票で32・72%獲得し1位で決戦に臨む左翼アンドレス・アラウス(36、UNES=希望連合)と、13ポイント差を付けられた2位の右翼ギジェルモ・ラソ(65、CREO=機会創出運動)が追いつ追われつの大接戦を演じている。

  最新の支持率調査ではアラウス50%、ラソ49%。浮動票(未決定票)は8%にすぎない。ラソとの差わずか0・35ポイントで3位に甘んじた先住民運動パチャクティクのヤク・ペレスは、支持者に決選両候補のいずれも支持しないよう言い含めてきた。

  だが先住民の大勢が、右翼財界人のラソよりも、左翼ラファエル・コレア前大統領の政治的申し子であるアラウスの政策に馴染みやすいのは疑いない。予断を許さない大激戦だが、若く活気にあふれるアラウスがわずかに優勢との指摘もある。

  しかし先住民運動も割れている。ペレスの副大統領候補だった女性ビルナ・セデーニョはラソ支持を表明したため6日、パチャクティクから追放された。

  同様に、赤道国先住民連盟(CONAIE)のハイメ・バルガス議長はアラウス支持を打ち出したため同日、パチャクティクから追放された。

   この国の人口は1740万人、有権者は1310万人。当選者は5月24日、大統領に就任する。任期は4年。

  コロナ禍covid19は猛威を振るいつづけ、33万人が感染、1万7000人が死亡した。人口比では、かなり多い数字だ。経済は昨年7・8%も縮小した。

  次期政権は「コロナ後」の政経社会の立て直しを迫られる。

(註)パチャクティクの最後の「ク」は一般的に発音しない。

  

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