米政府が対VEN締め付け政令を1年間延長
バイデン米政権は3月3日、「ベネズエラは米国の安全保障上の並外れた脅威」として「非常事態」を発動した2015年3月8日の政令13692を2日付で1年間延長したと発表した。
ジョー・バイデン大統領は15年当時は、バラク・オバマ大統領の副大統領で、対VEN締め付け政策に関与していた。オバマは当時、対玖国交正常化を打ち出し済みで、その年半ば対玖国交を再開させたが、米国内の 反対世論を抑える意味も込めて対VEN非常事態を発動した。
トランプ前政権は、オバマ政令に沿って対VEN制裁を激化させ、VEN経済を危機的状況に追い込んだ。さらにフアン・グアイドー前VEN国会議長を傀儡(大統領代行)として擁立、マドゥーロ政権打倒を図った。だがクーデターの陰謀も武装上陸作戦もことごとく失敗した。
今回の政令延長により、バイデン政権の対VEN政策は「グアイドー傀儡支援・マドゥーロ打倒戦略維持」路線の継続であることが明確になった。
バイデンは、来年の「中間選挙」を気にしている。昨年の大統領選挙でバイデンはトランプが7400万票もとったのを脅威に感じており、保守・右翼層、とりわけバイデンが勝ったフロリダ州に多いラ米系有権者の投票動向に神経を使っている。
「トランプの生きた亡霊」にバイデンのラ米政策は縛られているのだ。
バイデン政権は、この政令に基づき、「平時の戦争」である「制裁とい う経済戦争」をVENに仕掛けつづけることが可能になった。
トランプ政権期の主な狙いは、原油などVENの豊かな地下資源にあったが、バイデンは「人権・民主」をことさら強調している。
▼VENが跳ね付ける
ホルヘ・アレアサVEN外相は3月3日、米政令延長に対し「断固跳ね付ける」とする声明を発表した。
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