米伯両政府のチリクーデター謀議文書公開さる

   ブラジルは3月31日、1964年軍事クーデターの57周年記念日を迎えた。この日、ワシントンの米国家安全保障公文書館は機密文書を公開した。そこには当時の、リチャード・ニクソン米大統領と、71年12月訪米したエミリオ・ガラスタズ=メヂシ伯軍政大統領の会談内容があった。

  その文書には、米伯両国が70年11月発足していたサルバドール・アジェンデ大統領のチリ人民連合社会主義政権を打倒する画策協議が記されていた。

  これまでに米伯智3国の諜報機関文書などから、米伯両政府とチリ軍部の連携によりクーデターが決行された事実は明らかになっていた。今回の公開文書は改めて、その事実を裏付けるものとなった。

  ブラジル軍部は64年に自国のジョアン・ゴラ―ル民主政権を倒したが、米伯首脳会談でメヂシはニクソンに、「アジェンデは、ゴラ―ルが倒されたのと同じ理由で倒されなければならない」と語っている。

  米伯両政府は71年8月には、フアン=ホセ・トーレス大統領の左翼人民主義政権を軍事クーデターで倒す画策をした。ボリビア陸軍極右のウーゴ・バンセル大佐を使って流血の政変を起こさせ、目的を達した。

  米伯双方は70年代初め、米国と南米南部の軍政諸国が協力して左翼勢力を暗殺する「コンドル作戦」でも合意。亜国に亡命していたトーレスは76年、夫人とともに暗殺された。

 この事件を暴いたジャーナリスト、ロドルフォ・ワルシュも77年に亜国軍政によって暗殺された。その遺体は依然、見つかっていない。

  60~70年代のブラジル軍政は、「米帝国主義に歩調を合わせながら南米域内覇権という独自利益を追求する<亜帝国主義>」と指摘されていた。 

 

 

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