ブラジルで歴史改竄進み、クーデターを正当化

     ブラジル連邦第5地方裁(レシ―フェ市)は3月17日、「1964年の軍事クーデターは伯民主化のための一里塚だった」とする解釈を国防省が維持することを認めた。賛成4、反対1だった。

  ボウソナロ極右政権下で支配層の右傾化が著しいブラジルだが、歴史修正(改竄)主義も進んでいる。軍部は2020年3月31日のクーデター記念日に国防相と陸海空3軍司令官が連名で署名し、同解釈を打ち出し、その後、同省文書に記していた。今回の法廷判断は、その是非を問うものだた。

  同地方裁は判断とは別に、64年クーデターはゴラ―ル民主政権が倒した政変であり、記念日は祝うべきものではないと、式典などを開催しないよう政府、軍部、右翼などに釘を刺した。

  このクーデターはジョンソン米政権の了解の下、伯軍部が決行。その後のラ米軍政下が拡がる基になった。85年まで21年間続いた軍政下で数百人が殺害され、多数の人々が拷問されたり、国外亡命を余儀なくされた。反軍政ゲリラだったヂウマ・ルセーフ元大統領も拷問の被害者だ。

  「憲法と法治国家を蹂躙した軍事クーデターを公的機関を利用して正当化するのは許し型」と、ナタリア・ボナヴィデス国会下院議員らは軍部と同地方裁判断を糾弾している。

  


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