エル・サルバドー大統領が投票日に選挙違反

   エル・サルバドールで2月28日、国会議員84人、262市の市会議員、中米議会議員20人を選ぶ大型選挙が実施された。ところが政権党「新思考」を率いるナジブ・ブケレ大統領が同日、投票が続いていた時間帯に事もあろうに、記者会見を実施してしまった。

  選挙最高審議会(TSE、中央選管)は、大統領が「選挙前3日間および選挙当日の選挙運動を禁止する」という選挙法175条に違反したとして、28日、追及手続きに入った。

  ブケレは極右で、国会本会議場に重武装に陸軍部隊を配置して審議を進めるなど、強権発動をして憚らず、内外から「反民主性」が批判されてきた。

  当のブケレは3月1日、政権党が勝利したとSNSで発信した。2019年5月まで2期10年に亘って政権党だったFmln(ファラブンド・マルティ民族解放戦線)は1日、国会議員選での敗北を認め、立て直しのため党内を改革すると発表した。

  国会議員選挙の投票率は51%だった。

▼政権党が圧勝

  国会議員選挙は「新思考」党が、定数84議席のうち、3分の2の56議席を確保。右翼ARENAは37から14へと議席が激減。左翼FMLNも23から4へと惨敗。第2保守党GANA(国民団結大連盟)も10から5に半減。

  残る5議席は、国民協和党(PCN)2,キリスト教民主党(PDC)1,行こう(バモス)1,我らの時代(NT)1。

  1992年の内戦終結以来、長らく続いていたFMLNとARENA(共和国民同盟)の2大政党を中心とする国会支配は終焉を迎えた。両伝統政党は内戦を戦った左右両派を代表する。

  有権者は内戦後世代が増え、ブケレのような若くて荒っぽいが「強い指導者」を支持する層が膨らんでいる。それが今選挙で明確になった。 だがブケレに独裁を志向する傾向があると指摘する向きもある。

 

  

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