ブラジルで閣僚7人交代、3軍司令官辞任

  ブラジルで3月下旬、閣僚が7人交代した。いずれもジャイール・ボウソナロ極右大統領による更迭ないし、それに近い決定と見られている。先週の厚相交代に続き、3月29日、6人が一挙に地位を退いた。

  エルネスト・アラウージョ外相は29日、大統領の最大の失政であるコロナ禍対策の失敗を被る形で更迭された。「外交の不手際でワクチン確保が遅れた」などの理由を指摘された。後任は、外交官カルロス・フランサ。

  フェルナンド・アゼヴェード=イ・シルヴァ国防相も同日「辞任」した。さらに 文官長(官房長官)、大統領府相、内相、連邦法制庁長官も続いた。

  国防相辞任に伴い30日、陸海空3軍司令官がそろって職位を下りた。このうちのエヂソン・プジョール陸軍司令官は、かねがね軍人の政治参加に批判的だった。閣僚数の4部の1近い6人が軍高官であり、軍人出身のボウソナロは面白くなかったはずだ。

  さらにプジョールは、昨年3月末の1964年軍事クーデタ―記念日に際し、握手を求めたボウソナロに対し、肘で応じた。コロナ禍時代の流儀を示したのだが、大統領の反感を買った可能性がある。

  ボウソナロは来年の大統領選挙で再選を狙うが、労働者党(PT)のルーラ元大統領が法的規制を外され出馬可能となる方向にあり、ルーラが立候補すれば「無能」の烙印を押されているボウソナロに勝ち目はないと見られている。

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