米政府がVEN港湾空港業務取引禁止を解除

     米財務省は2月2日、ベネズエラの港湾と空港の業務に関わる資材の商取引再開を(希望する法人などに)許可した。これはバイデン政権によるマドゥーロVEN政権に対する最初の経済封鎖緩和策であり、国交が途絶えている両国関係の打開に向けVEN政権の出方を探る米側が打ち上げた最初の打診気球である。

  だが、VEN側が欲しくてたまらない、重質油を軽質油に変える希釈剤の取引をはじめ重要物資の輸出入の禁輸は再確認された。

  港湾に関して米側は、VEN港湾庁(INEA)との取引を禁じた2019年8月の決定および、同年11月の別の決定を見直した。

  アンソニー・ブリンケン米国務長官はマドゥーロ政権に対し厳しく対応する方針は明らかにしているが、対VEN政策の具体的内容は明示していない。ジョー・バイデン大統領は、国務省の政策決定に先立ち、財務省を使ってVENに一定の歩み寄りを誘いかけた形だ。

  VENは2019年1月、当時のトランプ米政権がグアイドー傀儡政権を擁立したため米国と断交。その後、対VEN軍事侵攻を支援したコロンビアと断交。先月には、東隣のガイアナの漁船を拿捕したことから、同国に断交された。

▼ノルウェーが対話仲介か

  ノルウェー政府特使が1月末にカラカス入りし、VEN政治状況の打開を図るためマドゥーロ政権と話し合いに入った、との情報が2月3日流れた。ニコラース・マドゥーロ大統領は、自身の2025年までの任期完遂を欧米が認めるのと引き換えに「自由な地方選挙実施」をまず提案した模様という。  

▼グアイドー逮捕を、と国会副議長

  イリス・バレ―ラVEN国会第1副議長は2月3日、「フアン・グアイドーに遭遇したら直ちに手錠をかけ、検察庁に引き渡す。彼は人民の敵だ」と述べた。グロボビシオンTVの定例番組によるインタビューで語った。

  グアイドは国会議長だった2019~20年、トランプ前米政権の支援を受けて、軍事クーデターなど暴力的政変の陰謀に何度も加担、ことごとく失敗した。

▼「民族尊厳の日」祝う

  故ウーゴ・チャベス前大統領の「ボリバリアーナ革命」の原点となった「4F」(1992年2月4日の軍事クーデター(未遂)記念日)29周年の2月4日、カラカス市内の丘陵にある「山の兵営」(チャベス廟)で記念式典が催された。

 ディオスダード・カベ―ジョ政権党国会議員団長(元陸軍中尉)をはじめ蜂起に参加した兵士の生存者らがチャベスの石棺の両側に次々に整列し、亡き司令官チャベスに敬意を表した。決起時の戦闘服姿だが、全員がチャベス派象徴色の赤いマスクをしていたのが、往時と異なっていた。







 

 

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