トランプ前政権は対玖外交縮小に「音響攻撃」事件利用

  2016年末から17年初めかけハバナの米大使館員、その家族らに「音響攻撃による健康被害」がでたという、原因不明の事件が問題化した。科学的解明が繰り返しなされたが、解明は成らなかった。

  このほど公開された米国家完全保障会議(NDC)機密文書によれば、17年1月発足したトランプ前政権は証拠なしに「音響攻撃は玖当局の責任」との見方をし、これを同大使館の人員60%削減と業務極小化する理由に用いた。

  実際、在玖・米大使館は人員を大幅に削減、業務を極小化し、対米移住を希望する玖人の書類申請、面接などを南米北部ガイアナの首都ジョージタウンの米大使館で行うなどの無茶な変更をし、米玖外交関係を最小限に縮めた。

  玖側は一貫して「音響攻撃」関与を否定、与り知らないでっちあげとの見方をとってきた。

  ドナルド・トランプ前大統領はマイアミをはじめとするフロリダ州内の玖系やラ米系の有権者票を重視し、とくに玖系極右勢力の言動に影響されていた。

▼CIAが捜査へ

  米国務省は2月25日、CIAが特別捜査チームをつくって「音響攻撃」の真相を探ってゆく、と発表した。

 ▼玖兌換ペソ(CUC)の半分は回収済み

  キューバ政府が元日から実施中のペソ(CUP)への通貨一本化政策により、昨年まで同時に流通していた総額7億兌換ペソ(CUC、公定交換率で7億米ドル)の半分以上が既に回収され、使用不能となった。

  ディアスカネル政権の経済社会改革指針の実行責任者マリーノ・ムリージョ政治局員が2月10日明らかにした。CUCは今年5月末までCUPか、外貨預金口座の外貨に交換可能。

  ムリージョはまたインフレが昂進していることについて、通貨一本化に伴い実施された大幅賃金上昇により急拡大した需要に供給が追い付かないため、と説明した。

  また補助金廃止や民間部門の生産コスト上昇、および財政赤字増大によってもインフレが進んでいると指摘した。

  在米同胞などからの外貨送金を受けている者は物価高騰を凌いでいけるが、そうでない者の日常生活は青息吐息だ。

  4月半ばには第8回共産党大会が開かれ、通貨一本化政策を含む経済建設状況の分析、見直し、展望がなされる。

  米国に対玖経済封鎖緩和の方針を打ちだしているバイデン政権が出来たのは、キューバにとり当面最大の好条件だ。だがコロナ禍COVID19で基幹産業の観光が「全休」状態にあり、他の事情と相俟って玖外貨事情は逼迫している。

  ムリージョが「財政赤字」を口にしたのは、外貨欠乏で必需物資の輸入がままならないということを意味する。

  玖政府はこのほど、コロンビア政府にゲリラ「民族解放軍」(ELN)の分派がボゴタを襲撃する可能性があると通報した。これは、トランプ前米政権が退陣直前にキューバを「テロ支援国家」に再指定したのを見直すよう、バイデン政権に送った明確な打診外交だ。

▼キューバ人3人が無人島から救出さる

 米沿岸警備隊が2月11日明らかにしたところでは、バハマ諸島の無人島で遭難生活を33日間続けていた玖人3人を見つけ、9日救助した。警備隊は哨戒機で玖バハマ間の海域を通常哨戒中、救助を求める人影を発見、ヘリコプターを急派して救助した。

 男性2人、女性1人は小舟で玖島を離れたが舟が沈没、最寄りの島に泳ぎ着いた。椰子の実や液で命をつないだという。3人はフロリダ州内で健康診断を受けた後、入管に行った。滞在が認められるのか、送還されるのかは不明。   

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