ボリビア検察が非合憲政権首班アニェスを召喚

    ボリビア政府による非合憲政権(2019年11月~20年11月)の首班(暫定大統領)だった極右ジャ二―ネ・アニェスへの追及が始まった。彼女は19年11月、当時のエボ・モラレス政権を倒したクーデターの首謀者の一人。

 他の首謀者であるサンタクルース市を拠点とする極右ルイス・カマ―チョは依然追及されておらず、20年10月の大統領選挙に出馬している。こうした極右指導者が法で裁かれないかぎり、クーデターはまた起きかねない。

 アニェスの拠点は北部のベニ州都トゥリダ―。チェ・ゲバラの部下としてボリビアでゲリラ戦を戦い、1967年8月末に殺された日系二世フレディ前村の出身地だ。

 ベニ州検察は2月22日アニェスを召喚、彼女は出頭した。容疑はクーデター首謀、非合憲政権下で起きた一連の流血事件の放置、コロナ禍対策時の不祥事など。アニェスは26日にも召喚されたが、同日、「迫害であり、もう応じない」と表明した。

 アニェスは昨年11月、モラレス元大統領の後継ルイス・アルセ大統領が就任して間もなく、ブラジルに逃亡しようとして阻止された。アルセ政権はアニェスを起訴した。

 ボリビアでは3月7日、全9州知事や全国の市長を決める地方選挙が実施される。アニェスはベニ州知事選挙に保守・右翼候補として出馬している。万が一当選すれば、無処罰が罷り通ることになり、アルセ政権のクーデター責任の追及は「茶番」に見えてしまう。

 知事選間近な2月末時点での検察召喚には、アニェス陣営に揺さぶりをかける狙いも込められてる。

  

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