キューバで物価高騰、国民生活を圧迫

   社会主義キューバで物価が高騰、国民生活を圧迫している。ディアスカネル政権は昨年末、賃金大幅引き上げと通貨一本化を決め、元日から実施しているが、賃金上昇で増えた需要に供給がはるかに及ばないため、物価上昇に拍車がかかってしまった。

  エコノミストらの試算では、値上げは物資によって異なるが、4倍から9倍に跳ね上がり、国民の実質購買力は半減している。

  内需充足生産の弱さ、外貨欠乏による必需物資輸入の停滞、補助金廃止、賃金上昇が物価を高騰させている。

  玖国民経済は、リーマンショックのあった2008年以降、15年まではそう悪くはなかった。だがマドゥーロVEN政権から供給される原油量が激減、トランプ前米政権による経済封鎖強化もあり、経済は下降を余儀なくされた。

  キューバは、VEN原油の一部の再輸出、ニッケル、砂糖などの輸出、医療協力、観光、外貨送金などで外貨を稼いでいた。だが観光はコロナ禍COVID19によりほぼ全面休止、医療協力はトランプ派遣先が前政権の圧力で派遣先が減り、外貨送金も縮小、伝統産品輸出も落ち、VEN原油は減った。

  玖政権は方向性としては「社会主義市場経済」化を目指している。だが革命一世世代が依然権力を握っており、中越両国のようには市場開放が進まない。このため、小刻みの改革は時々の問題に対処する弥縫策になりがちだ。

  最近、自営業の職種が従来の127から2100に増やされ、124の禁止職種も定められた。自営業者は全就労人口の13%に当たる60万人だが、まだ少ない。国家公務員でもなく自営業者や協同組合員でもない実質的失業者は30%に及ぶとの見方もある。

  4月半ば、4日間に亘って第8回共産党大会が開かれ、ラウール・カストロ第1書記が引退するが、これと並ぶ注目点は、革命第1世代がどこまで退くのか、および、新しい経済政策が打ち出されるか否かだ。

▼核実験全面禁止条約に加盟

  キューバは2月18日、同条約に加盟した。この点では、同盟国の北朝鮮よりも韓国の立場に歩み寄った印象がある。

▼米政府が「対玖緊急事態」延長

 バイデン米政権は2月24日、1996年にフロリダ州を発信した在米反玖組織の反玖宣伝軽飛行機2機が玖空軍機に撃墜されて以来発動されていた「緊急事態」を1年間延長した。その規定により、米国で登録されている船舶は許可なしに玖領海内に入ることはできない。

 バイデンは、米籍船舶の玖領海入りは玖人難民の大量流出を促す可能性があり、それは米国の安全を脅かすことになる、と指摘した。

▼玖反体制派歌手を西諸党が国会に招く

 スペインのPSOE(ぺソエ=西労働社会党)、PP(国民党)、シウダダノス(市民党)の国会議員らは2月25日、マドリ―の議事堂に玖歌手ジョトゥエル・ロメ―ロを迎えた。ロメ―ロはこのほど新曲「祖国も命も」を発表、注目されている。

▼「動物福祉法」承認さる

 玖国家評議会は2月26日、1月に成立し官報に記載された「動物福祉法」を承認した。同評

議会は立法府である人民権力全国会議(ANPP)の執行機関で、同会議議長エステバン・ラソが議長を兼任している。

 ANPP議員のほか、ミゲル・ディアスカネル大統領や首相も加わっている。 

▼スペインのホテルが一部撤退

 スペインのホテル大手メリア―は3月初め、在玖ホテル3カ所を閉鎖した。コロナ禍covid19に観光産業が休止状態になり、損失が嵩んだため。3ホテルはいずれも離島観光地にある。計865室。

  また1998年に「ハバナ金融会社」(CFH)を開いた西市銀BANKIAも「うまみがない」として撤退した。

 

 

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