キューバ法廷がマルティ像汚した犯人に厳しい判決

  2020年元日、キューバ史上の偉人ホセ・マルティ(1853~95)の胸像がハバナ市内数カ所で豚の血を塗られて冒涜された。その元日は玖革命61周年記念日であり、フィデル・カストロら革命の志士たちは、マルティ生誕100周年の1953年は7月26日に陸軍モンカーダ兵営を襲撃し、革命の狼煙を上げたことから「100年世代」と呼ばれる。

  元日は、革命とマルティ、あるいは社会主義キューバにとり、極めて重要な日だ。その日に首都でマルティ像が汚されたのは、玖体制にとって重要かつ深刻極まりない事件だった。

  ハバナ市の法廷は、事件から1年余り経った1月26日、事件の真相と犯人3人の処分を公表した。26日はモンカーダ襲撃を記念する「民族蜂起の日」まで半年の日であり、マルティ生誕168周年記念日(1月28日)の直前でもある。

  同法廷によれば、犯人3人は昨年12月21日、ハバナ市革命広場区裁判所で裁かれた。3人は、パンテル・ロドリゲス=バロー、ジョエル・プリエト≐タマヨ、ホルヘ=エルネスト・ペレス=ガルシア。

  ロドリゲスとプリエトは、在米キューバ人からもらった現金でコカインを買い、それを消費してから犯行に及んだ。その様子をぺレスが映像として記録し、それを在米キューバ人に送信。世界中に映像が流された。マルティと玖革命体制を貶める宣伝のためだった。

  実行犯のロドリゲスには禁錮15年、プリエトには同9年、ぺレスには同2年の判決がそれぞれ下された。

  事件後、首都以外の都市で同種の冒涜事件が続発した。ディアスカネル政権は、マルティ冒涜を戒め、反体制言動が顕著になっている若い世代に警告する狙いを込めて、厳しい禁錮刑を科した。

▼バイデン米政権が対玖経済封鎖緩和へ

  ジェン・サキ米大統領報官は1月28日、トランプ前政権が対玖経済封鎖強化のため発動した242種類の政策を見直すと発表した。 

  サキは、バイデン政権の対玖政策の柱は、①玖の民主と人権を支援②米国人とくに玖系米国人が玖の自由のための最良の「大使」と捉えること、の2点だとし、これに沿って対玖関係を構築してゆくと述べた。

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