ブラジル先住民がアマゾニア破壊でボウソナロを提訴

  ブラジルアマゾニアの先住民族の指導者の立場にある著名な族長2人が1月22日、ハーグの国際刑事裁判所(ICC)に、アマゾニアでの人道犯罪や自然破壊に関与したとして、ジャイール・ボウソナロ伯大統領を訴えた。訴えたのは、ラオ二・メトゥクティレ、アルミル・ナラヤモガ・スルイの両人。

  訴状は、2019年元日にボウソナロが大統領に就任して以来、アマゾニアでの森林破壊が前例のないほど急速に進み、先住民族の古来の居住環境が破壊され、先住民族が殺戮に遭ってきたとし、アマゾニア破壊政策を推進する大統領に責任がある、と指摘している。

  「ボウソナロはコロナ疫病COVID19 の蔓延状況を悪用して、先住民族を殺戮している」と、ラオ二は語っている。仏人ウィリアム・ブルドン弁護士が訴状を書いた関係で、ル・モンド紙やAFPが逸早く報じた。

  アマゾニアの森林破壊は2020年に8426平方kmが破壊されたが、破壊率は前年比35%増という。

  伯アマゾニアの先住民族がボウソナロをICCに訴えたのは、昨年7月以来2度目。

  世論調査では、COVID19 対策の無策などから現在、ブラジル人10人中7人がボウソナロの退陣を求めている。

  ジョー・バイデン米大統領は、就任前から「世界の心臓」アマゾニア熱帯雨林の破壊を厳しく批判してきた。ドナルド・トランプ前大統領と「蜜月」状態にあり、トランプ再選に懸けていたボウソナロ政権は、アマゾニア政策でも新たな対米対応を迫られている。 

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