マドゥーロVEN政権がバイデンに向け打診気球

   ニコラース・マドゥーロ大統領のVEN政権が、1月20日発足するバイデン米新政権に対し、関係正常化を望む意向を表明した。マドゥーロ大統領の側近中の側近であるホルヘ・ロドリゲス国会議長は15日カラカスでAP通信のインタビューに応じ、米新政権が残酷な対VEN制裁政策を覆せば、国交正常化やVENで服役中の米国人釈放が可能になる、と述べた。

  ロドリゲスは憲法規定で、実妹のデルシー・ロドリゲス副大統領に次いで大統領位を継ぐ第2の地位にある。

  同国会議長はまた、トランプ政権の傀儡フアン・グアイドー前国会議長を「逮捕せよという政権党PSUV(VEN統一社会党)の声には与しない」と前置きし、「広範な対話に応じる用意がある」と語った。

  ただしグアイドーおよび、その仲間たちがマドゥーロ政権打倒の陰謀を何度も企てたことや、外国政府によるVEN国営石油会社PDVSA(ぺデべサ)の在外資産凍結を支持したことを謝罪するのが先決だ、と強調した。

  マドゥーロ政権は、暴力的政変を謀ったトランプ政権と断交。ワシントンにはグアイドー派の<大使館>がある。米国務省は、コロンビアのボゴタにある米大使館内で対VEN業務を遂行している。

【バイデン次期政権とVEN政権との関係改善の鍵を握る米側人物の一人は、NY州選出の民主党下院議員グレゴリー・ミークスだ。ミークスは2013年3月のウーゴ・チャベス大統領の葬儀に、バラク・オバマ前大統領に派遣され参列した。】

▼VEN外相が対米非難

   ホルヘ・アレアサVEN外相は1月16日、トランプ米政権がテキサス州ヒューストンにあるPDVSA子会社CITGO石油会社(CPC)の売却を促進していることを、「不法売却であり著しい内政干渉だ」と、米政権を糾弾した。

▼VENがブラジルの疫病対策支援へ

  ホルヘ・アレアサ外相は1月16日、カラカスにあるラ米医科学校(ELAM)の新卒者が、隣国ブラジル・アマゾナス州に行き、COVID19と闘うため、国境の伯ロライマ州ボアヴィスタに15日到着した、と明らかにした。

  新卒者はブラジル人とVEN人の計107人。VEN外務省は、アマゾナス州のウィルソン・リマ知事と、新卒医師団の受け入れについて話し合い、合意に達した。

  アレアサ外相は、VENは既にアマゾナス州に欠乏している酸素ボンベを大量に発送したと述べた。同州では酸素不足で死ぬコロナ患者が急増中。

  カラカスELAMは、キューバのELAMに倣って開校された。

▼VEN玖が合同「制裁」監視機関創設

  デルシー・ロドリゲスVEN副大統領は1月16日、バイデン次期米政権への対応策を練るため訪玖し、ミゲル・ディアスカネル大統領らと会談。米国および、その同盟諸国による経済封鎖をはじめ一方的な強制措置を監視する機関を両国合同で創設することで合意した。

     同副大統領は間近に迫った米政権交代について、「バイデン氏には慎み深さを示してほしい」と述べ、VEN米外交関係正常化への期待を表明した。 


 


  

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