欧州連合諸国がグイアドー首班支持を取り下げ

   欧州連合(EU)加盟27国政府は1月25日、フアン・グアイドー前VEN国会議長をもはや「VEN暫定大統領」とは認めないとする声明を発表した。6日に同趣旨の立場を打ち出していた。EU諸国は今後、グアイドーを「特権を持つ重要な対話相手」と定めた。

  理由は、グアイドーの国会議長任期が1月4日で切れたこと。グアイドーは昨年12月6日のVEN国会議員選挙をボイコットしたが、出馬したとしても、ラ・グイアラ州内の自身の選挙区からニコラース・マドゥ―ロ大統領の息子ニコラース2世が出馬していたため、苦戦が予想された。同2世は対抗馬が事実上いなかったため圧勝した。

  一方、保守・右翼勢力が多数派の欧州議会は先週「グアイド―支持」を決議している。同議会と加盟諸国政府の決定は相反するが、国連はVEN代表権をマドゥーロ政権に認めており、EU諸国政府決定は国連決定に合致する。

  EUを離脱した英国はグアイドー支持を継続している。20日にバイデン政権が発足したばかりの米国は、トランプ前政権が傀儡として擁立したグアイドーの政治的資格に対する判断をまだ下しておらず、「グアイドー支持」の立場が技術的には続いている。

  EU諸国政府は、VENに政治民主化などを引き続き要求してゆくとの立場も併せて表明した。

  当のグアイドーはEU決定を受けて、次期米国務長官が私を支持してくれることを期待していると述べた。

  これに対し、極右のグアイドーと野党勢力の主導権争いをしてきた右翼のエンリケ・カプリレス元大統領候補は25日カラカスで外国メディア通信員たちとの会見で、野党は戦略を練り直し、問題解決を図るためマドゥーロ政権との交渉過程を構築すべきだ、と述べた。

▼ドイツが欧州理事会に提議

  ドイツ外務省は1月27日、欧州理事会(EU首脳会合)に対し、フアン・グアイド―を「VEN暫定大統領」と認めるのを打ち切るよう提議した。

▼米政府は「グアイドー支持」の意向

 ジェン・サキ米大統領報道官は1月26日、バイデン政権は「自由で公正な選挙を通じて民主的かつ平和裏にVEN体制を変えてゆく」と述べた。

 アンソニー・ブリンケン国務長官は、19日の上院外交委員会公聴会で、対VEN制裁を効果的に実施してゆくと言明。グアイドーを引き続き「VEN暫定大統領」として認めてゆく、とも述べている。同長官は26日、上院で就任を承認された。

▼ラ・ドミニカ―ナはグアイドー承認打ち切り

 ドミニカ共和国のロベルト・アルバレス外相は1月27日、同国政府は5日付でフアン・グアイドーVEN前国会議長を「VEN暫定大統領」と認めるのを打ち切った、と明かにした。5日にグアイドーの国会議長任期が切れたため。

▼亜智両国がVEN問題対応を協議

 アルべルト・フェルナンデス亜大統領は1月26,27両日、チリを公式訪問し、セバスティアン・ピニェーラ大統領と会談。VEN問題の解決に向けて協力することで合意した

。 

コメント

このブログの人気の投稿

ラ米学徒、久保崎夏の思い出

『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

メキシコ外相が「メリダ計画」終了を宣言