VEN当局が新国会発足阻止狙う陰謀を摘発

     ベネズエラのカルメン・メレンデス内務法務平和相は12月29日、来年1月5日に開設される新国会の執行部発足を阻止し、かつ政府高官暗殺などのため活動していた一味の陰謀を暴いた、と発表した。コロンビア政府当局が陰謀を支援、陰謀は「国会ボイコット作戦」と名付けられていた。

  同作戦は、12月27日から1月3日にかけて決行される予定だった。3日には国会新執行部が決まるが、執行部を潰すのが主な狙いだった。タレク・サアブ検事総長ら高官の殺害も計画に含まれていた。

  事の起こりは12月21日、ミラフローレス宮殿(大統領政庁)付近で爆発物を所持していた政庁雑役係が逮捕されたこと。この雑役係は2001年から19年勤続で、信頼されていた。

  その自供から24日、破壊活動に従事してきたロナルド・フローレスが逮捕された。フローレスは12月10~18日、コロンビアに滞在したVEN極右指導者レオポルド・ロペスが、イバン・ドゥケCOL大統領、アルバロ・ウリーベ同元大統領と会談する様子を映したビデオ映像を所持していた。

  ロペスは、による政変を是とするVEN極右政党「人民意志」(VP)の最高指導者で、破壊活動により投獄され、その後自宅軟禁になっていたが、今年10月、コロンビア政府の支援を受け国外に逃亡、家族のいるスペインのマドリ―に去った。

  フローレスは18年8月起きたドローン爆弾によるニコラース・マドゥーロ大統領暗殺未遂事件にも関与。今回は、コロンビア機関員数人のVEN密入国と武器・爆発物の搬入を支援した。

  また、ライデ・サラサールという陸軍大尉の国外逃亡も支援。ライデの姉ソラ二・サラサール海軍大佐と、その夫の海軍大佐も今回、陰謀加担容疑で逮捕されている。内相は、容疑者19人の行方を追っていると明らかにしている。

  国家諜報局(SEBIN)のグスタボ・ゴンサレス長官は29日、今事件関係の容疑者6人を逮捕済みと明らかにしている。軍事防諜局(DGCIM)が6人を取り調べている。陰謀作戦には、グリ水量発電所の破壊など破壊活動が含まれていた。

  一方、マドゥ―ロ大統領は28日、国軍に「点と地域作戦」実施を命じた。全国の軍事施設やエネルギー施設など重要拠点の防衛のためだ。29日には容疑者逮捕に繋がる情報の提供者に賞金50万ドルを与えると表明した。

▼今年のVENでの暴力死は1日37・5人

 NGO「VEN暴力監視台」(OVV)は12月29日、今年の暴力死(殺人、警官による制圧、原因究明中)は1万1891人と発表した。1日当たり37・5人、人口10万人当たり45・6人。


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