国連がマドゥーロVEN政権の代表権を承認

   国連総会は12月2日、向こう1年間のベネズエラ代表権はニコラース・マドゥーロ大統領の現ボリバリアーナ政権であることを承認した。193カ国が承認票を投じた。昨年12月にも国連は同じ決議を採択している。

  それというのも、マドゥーロ体制打倒とVEN石油利権を狙うトランプ米政権が昨年1月、極右のフアン・グアイドー国会議長を「暫定首班」とする傀儡架空政権を擁立し、50数か国が「承認」ないし「支持」を表明したため。国連は混乱を避けようと、マドゥーロ政権の代表権を敢えて確認した。

  サムエル・モンカーダVEN国連大使は同日、「トランプの植民地主義の冒険は失敗し、VENの主権と独立が勝利した」と讃えた。

  同大使は、「他の国々の国民意志に逆らって、政権や外交権を他国に押し付ける米国のやり方は撥ねつけられた。我々は6日の国会議員選挙で真の独立を防衛する」と続けた。

  グアイドー派野党勢力は同選挙をボイコットしており、来年1月5日の新国会発足時、グアイドーを含め同派議員は皆無となる。11月の選挙に敗れたドナルド・トランプ大統領も1月20日退陣するため、グアイドーは自動的に「政治的孤児」になる。

  トンランプに象徴される「ポースト・トゥルース」の典型が実体のない「グアイドー暫定政権」だったが、雲散霧消する運命にある。多くの日本人を含む世界中の人々が、この虚構に騙されていた。

  強国が軍事力と経済力を嵩(かさ)に他国に傀儡政権をでっちあげ、その「要請」を受けて軍事介入したり、利権奪取を図ったりすれば、正義も平和も主権も失われる。

  安倍前政権は米側圧力を受けて河野外相期に、グアイド―傀儡「体制」を、「承認」せずに「支持」することを決めた。この苦し気な選択も1月に終わるだろう。

  

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