TT首相がグアイドー派容認のOEA拒絶を表明

   トリニダード&トバゴ(TT)のケイス・ロウリー首相は12月18日、OEA(米州諸国機構)におけるベネズエラ代表権がマドゥーロ政権に戻るまでは、いかなるOEA決議にも参加せず、いかなるOEA決議をも認めない、と表明した。

  OEAは、トランプ米政権に昨年初め擁立されたが行政実態のないフアン・グアイドー傀儡体制の代表権を認めており、グアイド―派「大使」が代表権を行使するという虚構が続いてきた。国連はVEN代表権をマドゥーロ政権に認めている。だが米州地域機関のOEAは、それに歯向かっている。

  誰もが本心では虚構と捉えてきたグアイドー派の代表権を認めないと堂々と主張したのは、マドゥーロ政権以外はTTが初めて。それだけに米州外交界に波紋を投げかけている。

  ロウリー首相が今回の態度表明に踏み切ったのは、12月6日に出航し、VEN東部沖にあるTTのトリニダード島にVEN難民を乗せて向かっていた小舟が難破、33人の死亡が確認された出来事をめぐり、グアイドー派代表がOEAで、「難民は本国に送還しないという国際協定に反する」とTTを非難したのに激怒したため。

  トランプの「走狗」と見なされてきたルイス・アルマグロOEA事務総長(元ウルグアイ外相)も同様に発言。両人の発言は、TTが難民船を拒否したため遭難したという見方に立っている。

  ロウリー首相は、TTが既にVEN難民16万人を保護していることを強調。小さな島国TTが何十万、何百万というVEN難民を受け入れたとしたらどうなるか考えてもらいたい、とも語っている。

▼現国会がグアイド議長任期を1年延長

  反政府野党が多数派のVEN国会は12月26日、フアン・グアイドー議長の任期を1年延長する改正法を可決した。来年1月5日には今月6日の選挙で選ばれた議員たちによる新国会が開設され、現国会は終わる。

  議長任期も自然に終わりを迎えるが、新国会開会後も現議長を議長職に留まらせようという戦術だ。だが1月5日以降、現国会議員らが国会議事堂を使うのは不可能となり、「延長された議長」は実効性を失う。改正法を新国会が葬れば、法的にも無意味になる。

 

 

 


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