ベネズエラで国会議員選挙実施

     ベネズエラで12月6日、国会議員選挙が実施された。5年ごとの選挙で、新国会は来年1月5日発足する。

 国内監視団1600人、およびラファエル・コレア前赤道国大統領、エボ・モラレス元ボリビア大統領、フェルナンド・ルーゴ元パラグアイ大統領、マヌエル・セラヤ元ホンジュラス大統領、ホセ=ルイス・ロドリゲス=サパテロ元西首相をはじめ、34カ国の国際監視団計200人が投開票を見守っている。

  投票は午後6時終了だが、投票所によっては有権者の行列が続いているため7時まで延長された。焦点は反政府系野党勢力がボイコットしたため、投票率がどこまで伸びるかだ。

  閑散とした投票所もあったが、大統領夫人で「第1の闘士」(プリメーラ・コンバティエンテ)と呼ばれ、自身も立候補しているシリア・フローレスは、「有権者は素早く投票して素早く去った。コロナ禍対策に沿った行動だ」と称賛している。

  政権党PSUV(VEN統一社会党)副党首で自身も出馬しているディオスダード・カベ―ジョ制憲議会(ANC)議長は、「満足のゆく投票率だった」と延べた。だが数字は明らかにしなかった。

  2015年12月の前回選挙では、保守・右翼・極右の野党連合MUDが圧勝、マドゥーロ政権との間に捻じれが生じた。このため政権はANCを開設、これを「代理国会」として国政を運営してきた。憲法がANCを国会の上位に置いているのを根拠にしている。

  ニコラース・マドゥーロ大統領は今選挙で圧勝して捻じれを解消、安定した体制で経済再建に取り組み、1月20日のバイデン米政権誕生を迎えたいところ。

  この日、投票を済ませた大統領は、今年初め、選挙用の電脳機器などが破壊された事件を指摘して、全国1万4000箇所の投票所(計2万9200投票箱)を警備している国軍や警察を讃えた。

  またボイコットした反政府野党勢に対し、「過激な手段を放棄し、米国の植民地主義に加担するのを止めよ」と呼び掛けた。諸外国や外国メディアには、「VENの主権を尊重せよ」と訴えた。

  マイク・ポンぺオ米国務長官は6日、VEN選挙を「不正選挙」と決めつけた。これに対しホルヘ・アレアサVEN外相は、「ゾンビが語った! 彼の主人(トランプ)が確か、米大統領選挙に不正があったと言っていた」と皮肉り、「米国の対VEN政策は完敗したのだ。現実を冷静に直視せよ」と反撃した。

  一方、イランは選挙後の経済再建に協力するため、大タンカー船団をベネズエラに送りつつある。 

  

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