モラレス元ボリビア大統領がクーデターの危険を警告
ボリビアのエボ・モラレス元大統領は12月26日、コチャバンバ州トロピコ(熱帯)地方のコカ葉栽培農民連合団体の会合で演説。政権党MAS(社会主義運動)党員・支持者に向けて、ルイス・アルセ大統領率いるMAS現政権に対し、右翼および同盟者がクーデターを含む攻撃をかけてくる恐れがあると警告し、防衛措置を講じるよう呼び掛けた。
モラレスは昨年11月、極右勢力、軍部・警察、OEA(米州諸国機構)、米リチウム利権などが連携してのクーデタ―で政権を追われ亡命。11月8日にアルセ政権が発足した翌日、帰国した。
クーデターの危険性があることについて、「それはイデオロギー的、計画的、文化的、共同体社会的、選挙的な闘争だ」と指摘した。
元大統領はさらに、クーデターで政権を握ったジャニーネ・アニェス前非合憲政権を糾弾し、「アニェスはコロナ禍COVID19が蔓延するさなかに人道犯罪を犯し、虐殺事件も起こした。人民弾圧のため、(催涙ガス用)化学剤を500万ドルも輸入した」と非難した。
アルセ大統領は就任後、クーデターに関与した国家警察と国軍の上層部を一掃した。だが粛清された元高官らに不満がくすぶっており、サンタクルース州都サンタクルースデラシエラを中心拠点とする極右勢力と同元高官らは繋がっている。
政権は、アニェスの国外逃亡を食い止め、監視下に置いているが、依然、裁判に持ち込んではいない。逮捕された多くのクーデタ―関与者は釈放されたが、高官らの逮捕・捜査・裁判が残っている。
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