ニカラグア体制が反政府派を選挙から締め出しへ

   ニカラグア国会は12月21日、「独立、主権および平和のための自決に関する人民権利防衛法」を、賛成70、反対15、棄権4で可決した。賛成票を投じたのは、絶対多数派の政権党FSLN(サンディニスタ民族解放戦線)。

   新法の骨子は、「クーデター、権勢秩序変更、テロリズムを主導したり資金支援したりする者」や、「外国による制裁や干渉を促進する者」は選挙に出馬できないということ。

  特に2018年4月以来、政府と対決してきた反政府勢力は、米国などの支援を仰いでおり、同勢力が今後同じ行動をとれば、21年11月7日の大統領・国会議員選挙などから排除されることになる。

   ダニエル・オルテガ大統領(74)は来年の選挙で連続4選を狙う。79年のサンディ二スタ革命後90年まで革命政権が続いたが、オルテガは80年代半ば以降、大統領を務めた。来年4選されれば、計5選となる。

   反対票を投じた保守・右翼の憲政自由党(PLC)は、「新法は、憲法が保障する市民の権利を侵す」と訴えた。

   米国は反政府勢力を強力に支援する形で干渉しており、オルテガ大統領一族や政府高官らに制裁を科してきた。

   米財務省は21日、新たにニカラグア高官数人に制裁を科した。

▼チャモロ元大統領の娘が出馬へ

   ニカラグアのビオレタ・チャモロ元大統領の娘クリスティーナ・チャモロは2021年1月16日、11月の大統領選挙に野党統一候補として出馬する意向を表明した。

   母ビオレタは1990年の大統領選挙で、サンディニスタ政権のダニエル・オルテガ大統領を破り政権に就いた。この選挙では日米政府がチャモロ側を支援した。

   それから31年後、クリスティーナは、母が破ったオルテガ大統領と選挙で対決することになる。

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