ブラジル大統領弾劾を労働者党党首が呼び掛け

   ブラジルの野党PT(労働者党)のグレイジ・ホフマン党首は12月12日、極右のジャイール・ボウソナロ大統領を弾劾すべきだと呼び掛けた。

  同大統領は、公金横領容疑で起訴されている息子フラヴィオ・ボウソナロ上院議員を法廷闘争で有利にするため、国家機関である伯諜報局(ABIN=アビン)を利用。この事実だけでも弾劾するのに十分だ、とホフマン党首は強調した。

  フラヴィオは2003~19年、リオデジャネイロ州の下院議員だったが、その時期に公金横領事件が起きた。伯資金運用統御庁(COAF)の調査で2018年末、尋常でない巨額の資金移動が発覚した。

  元警察幹部でフラヴィオの顧問だったファブリシオ・ケイロスの銀行口座が使われていたが、ケイロスは今年6月、逮捕された。その結果、フラヴィオは主犯容疑で起訴された。

  すると父親大統領はABINに事件関連情報を探らせ、得られた情報を息子の弁護士に回していた。

  PTおよび、伯社会主義者党、社会主義と自由の党、新しい(ノヴォ)党の計4党が既に検察庁に対し、ABINの事件関与を捜査するよう要求している。

  PTは政権をルーラ、ヂウマ・ルセーフの2代4期握った最重要政党の一つ。ルセーフは2期目の2016年8月、PT潰しの陰謀の犠牲になり、弾劾された。その流れの延長線上でルーラが参政権を奪われ、ボウソナロ政権が誕生した。

▼ボウソナロがルセーフ拷問の事実をあざ笑い糾弾さる

  軍人出身のボウソナロは12月28日、伯軍政期(1964~85)の政治囚への対応は人道的だったと嘯(うそぶ)き、軍政秘密警察に拷問されたヂウマ・ルセーフ元大統領をあざ笑った。ルセーフは拷問であごの骨を折られたが、ボウソナロは「ならばX線写真を見せろ」と暴言を吐いた。

  これに対し、ルーラ、カルドーゾ両元大統領をはじめ政界や他の各界から激しいボウソナロ非難が起きている。 

 

  

 

 

 

コメント

このブログの人気の投稿

ラ米学徒、久保崎夏の思い出

『ホンジュラスに女性大統領誕生』公開のお知らせ

メキシコ外相が「メリダ計画」終了を宣言