プエブラグループがVEN選挙を評価

   ラ米およびスペイン17カ国の左翼政治家、知識人ら49人で構成する「グルーポ・デ・プエブラ」(プエブラグループ)は12月9日声明を発表、6日実施されたVEN国会議員選挙について「平和裏かつ正常に実施された」と評価した。

 声明は、「VEN危機克服の道は民主の道が最良であり、VEN問題解決には、コロナ禍大流行のさなかに米政府がVENに科した経済封鎖の解除を伴わねばならない」と強調している。

 さらに声明は、「残念ながら一部南米諸国は、米極右勢力の命令に従い、VENへの軍事侵攻の脅迫にも賛同した」と厳しく指摘している。

 この集団は2019年7月、メキシコ・プエブラ州都プエブラ市の会合で発足したことから、そう命名された。ブラジルのルーラ、ルセーフ、ウルグアイのムヒーカ、パラグアイのルーゴ、ドミニカ共和国のフェルナンデスら大統領経験者や、スペインのサパテロ元首相が参加している。

 トランプ米政権の肝煎りでOEA(米州諸国機構)内に結成された保守・右翼・極右諸国の「グルーポ・デ・リマ」(リマグループ=グリマ)の対極にあるのがプエブラグループだ。

 一方、米財務省筋は、バイデン次期政権が、トランプ政権が一方的に科した対VEN制裁(経済封鎖)を見直す方向にあると表明している。マドゥーロVEN政権もプエブラグループも、そこに期待している。

▼グアイドー派に巨額献金

 VEN反政府勢力代表格のフアン・グアイドー国会議長の資金受け取り窓口「2020年グアイドー事業」基金に、米欧など支援諸国から総額8億4100万ドルの献金がなされたことが12月9日明らかになった。

 グアイドー派は12日潤沢な資金を使って、国会議員選挙を否定するための「反政府国民投票」を実施した。だが実効性がなく、国際通信社数社の報道によれば盛り上がりに欠け、投票者確認がないため同一人物が2度以上投票するなどの不正があった可能性もあった。

 グアイドー派の発表では、640万人余が投票し、⓵直接投票者320万人⓶国内電子投票者241万人⓷在外電子投票者84万人、だった。 だが数字に整合性もなく、信憑性に欠けると指摘されている。

▼現国会が「代表者委員会」で機能維持図る

 グアイドー派が多数派の現国会は12月18日、現議員の中から代表者たちを選び委員会を結成し、来年1月5日の新国会開会後も「公的権力機関」として活動を続けることを決めた。


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