ペルー大統領解任されメリーノ暫定大統領就任

    ペルーのマルティン・ビスカラ大統領が11月9日、国会で不信任され、解任された。ビスカラはペルー南端に近いモケグア州の知事時代(2011~14)に土木工事を巡り収賄、それを理由に「倫理的資格無し」とされ、事実上の弾劾となる「大統領不在」決議案を可決されてしまった。

 定数130の1院制国会は賛成105、反対19、棄権4、不参加2で決議案を可決した。この重大決議には3分の2の86議員の賛成が必要だが、それを大幅に上回った。

 ビスカラ退陣と新しい暫定大統領は官報記載によって確定するが、マヌエル・メリーノ国会議長が暫定就任するもよう。

  ビスカラは2016年の大統領選挙に保守派のP・P・クチンスキ大統領候補の副大統領候補として出馬し当選。だがクチンスキがやはり腐敗などを追及されて18年3月辞任したのを受け、大統領に昇格した。

 今年半ば国会での追及が激しくなてからは、任期が切れる来年7月末まで政権に留まりたい意向を表明、延命工作を続けていた。それが叶わなかったわけだ。

 次期大統領選挙は4月11日に予定されており、7月末に就任する次期正大統領が決まる。

 ビスカラは、マドゥーロVEN政権打倒を目指すトランプ米政権に同調する保守・右翼・極右米州諸国が構成する「リマグループ」(グリマ)の主導的立場にあった。トランプ敗北、MASボリビア政権復活に続く自身の解任決定で、グリマが弱体化することは否めない。 

▼メリーノ暫定大統領が就任

 ビスカラ解任を受けて11月10日、マヌエル・メリーノ国会議長(59)が暫定大統領に就任した。任期は来年7月28日まで。メリーノは、来年4月の大統領選挙実施を確認した。

 メリーノは中道右翼の人民行動党(AP)所属。同党からは、創党者の故フェルナンド・べラウンデが1960年代半ばと80年代前半の2度、政権に就いている。

   その後、ビスカラ解任を「国会クーデター」と非難し、メリーノ暫定大統領就任に反対する勢力がリマをはじめ数都市で激しい街頭行動を展開、リマでは12日、数万人が抗議行動に参加した。警官隊が出動、市民と警官の双方に負傷者が出ている。



 

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