米ウェスタンユニオンが対玖送金業務打ち切る

  米電信送金会社大手ウェスタンユニオン(WU)は11月23日、対玖送金業務を打ち切り、玖国内407カ所の支店を閉鎖した。

 トランプ米政権は3日の大統領選挙を前にフロリダ州内のラ米系有権者、とりわけ玖系への集票戦術として送金にさまざまな制約を課していたが、トランプ敗北後の今、予定通り、WU業務打ち切りを実行した。

 これは対玖経済封鎖の一環だ。在外家族らからの送金に頼る玖人らは、「さようならWU、すぐ戻ってきてね」と、WU各支店前でエールを送った。

 来年1月20日、バイデン米政権が発足すれば早晩、経済封鎖は緩和され、WU業務が再開されると踏んでいるからだ。ジョー・バイデン次期米大統領が23日、国土安全保障省長官にハバナ生まれの玖系アレハンドロ・マジョルカス(60)を任命したのを、玖政府は歓迎している。

 WUはクリントン政権期の90年代後半キューバに進出。以来、「米ドルの窓口」として重要な役割を果たしてきた。

 民間調査機関によると、キューバの今年の送金収入は、29億6700万ドル。昨年の66億1600万ドルから54%も減った。

▼スリナムから米墨国境へ玖人行進へ

 スリナム在住キューバ人720人は11月23日、首都パラマリボに集結。陸路、米墨国境を目指し12月1日出発することを確認した。道中、他の南米諸国にいるキューバ人のうち数百人が合流するという。

 一行は米国入りが目的で、バイデン次期政権発足後に米墨国境に到達する計画。陸路は、スリナムーガイアナーベネズエラーコロンビアと大西洋およびカリブ海沿いに進む。コロンビアからパナマへの国境地帯ウラバ地域は危険の多い難所。

 パナマからは中米を北上する。コスタ・リカ、ニカラグア、ホンジュラス、エル・サルバドールを経て、中米北端のグアテマラに着く。だがトランプ米政権はグアテマラで移住希望者を足止めにする政策をとってきた。この政策にAMLO墨政権も同調している。

 このためメキシコ国境手前のグアテマラが大きな難所となる。トランプ政権のある間はグアテマラでの足止めを余儀なくされる公算が大きい。仮にメキシコに入国できても、米墨国境は遠い。米国への合法的入国はさらに難しい。

▼内相が死去

 フリオ=セサル・ガンダリ―ジャ内相(海軍中将)は11月24日、病死した。同日、ラサロ・アルバレス副内相(57歳、陸軍少将)が内相に昇格した。国家警察、諜報機関、内務省軍を握る内相は、治安維持の要の地位。


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