ブラジルで警官が黒人を殺害、抗議拡がる

  ブラジル南部の南リオグランデ州都ポルトアレーグレで11月19日、黒人市民が警官らに殴り殺され、全土に抗議行動が拡がっている。

 ジョアン・フレイタス氏(40)は同日、市内のスーパーマーケット「カへフォー」で店員といざこざになり、店員が警察を呼んだ。同店警備員と駆け付けた軍事警察官が2人がかりでフレイタスを倒して抑え込み、うち1人がフレイタスの顔面、頭部を執拗に殴った。フレイタスは血だらけになり、窒息死した。殺害容疑者2人は白人系。

 一部始終は目撃者に撮影され、その映像は拡散された。人権団体は、今年5月25日、米ミネア―ポリス市で警官に殺害されたジョージ・フロイド氏(当時46)の例を挙げ、フレイタ殺害事件を厳しく糾弾した。

 事件の翌日20日は、黒人差別をなくすためにも制定されている「黒人意識の日」だった。

 抗議行動は映像拡散を受けて地元ポルトアレーグレをはじめ、サンパウロ、リオデジャネイロ、首都ブラジリア、レシフェなど主要都市に拡がった。

 ブラジルでは、微罪の黒人市民を警官が殺害する事件が昔から絶えない。かつては多くの場合、警官は罰せられなかった。副職として警備員を務める警官は少なくない。

 警官教育の低さと薄給が多くの警官を、人種差別に基づく過剰暴力という誤った権力行使に走らせる。

 

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