ニカラグアがクリミアに領事館を開設

  ニカラグアが世界に先駆けて11月10日、ロシアを構成する「クリミア共和国」の首都シンフェローポリに領事館を開設した。クリミアは、プーチン露政権が2014年に武力でウクライナから奪取併合した問題の地。黒海に面した要衝だ。

 ダニエル・オルテガ大統領のニカラグアは2008年、ロシアの軍事支援を受けて「独立」した南オセチアとアブハジアをロシアに次いで逸早く承認。10年外交関係を樹立した。これによってニカラグアはロシアにとり、ラ米で最も緊密な同盟国となった。

 クリミア側はニカラグア領事館開設に感謝し、黒海、地中海、大西洋、カリブ海経由でニカラグアに直行する海運関係を開く方針を明らかにした。ニカラグア最重要港コリントは太平洋岸にあり、同港への航路はパナマ運河経由となる。

 ニカラグアの領事館開設は、ウクライナだけでなく米国やNATO諸国を刺激する。オルテガ政権は、バイデン米次期政権がトランプ政権同様に厳しく接してくるのを覚悟し、「後ろ盾」としてのロシアに一層接近したと言える。

 ロシアからの経済援助はニカラグアにとって重要であり、断続的なロシア艦隊の来訪は心強い。

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