ペルー暫定大統領が街頭抗議受け就任6日で辞任

  ペルーのマヌエル・メリーノ暫定大統領が11月15日、辞任した。メリーノは9日のマルティン・ビスカラ大統領の国会における解任を受け、10日、国会議長から昇格就任したばかりだった。副大統領がいなかったためだ。メリーノは国会議長を兼務してきた。

 その直後から首都リマをはじめ主要都市で連日、大規模な就任への抗議行動が展開され、死者2人、負傷者100人が出た。所属する人民行動党(AP)もメリーノ支持を取り下げていた。

  国会では急遽、政党間の話し合いが始められ、メリーノ執行部に替わる新しい国会執行部が選ばれ、新国会議長が新たな暫定大統領に就任することになるもよう。

  ビスカラは知事時代の収賄を暴かれ、国会は「倫理的資格」なしとして「大統領不在」を決議。ビスカラは事実上弾劾され、解任された。

  ペルーでは2021年4月11日、5年に一度の大統領選挙が実施され、選ばれる新大統領は独立記念日の7月28日に就任する。

  秘政界の現在の混乱は、1990年代に10年間政権にあったアルべルト・フジモリ大統領が1期目に、軍部と組んで国会を解散させた「お手盛りクーデター」、2000年に憲法規定を強引に変え3選出馬し当選したフジモリが国会議員買収など不正を暴かれ日本亡命後、解任されたことに始まる。

  パニアグア暫定政権に続くトレード、ガルシア、ウマ―ラ、クチンスキ、ビスカラの5大統領はみな、土木工事絡みの収賄事件で追及された。80年代後半に続き2期目にあったアラン・ガルシアは汚職で逮捕される直前に自邸で拳銃自殺した。

  フジモリの娘ケイコ、息子ケンジはいずれも政界に進出。ケイコは大統領選挙に2度出馬し、惜敗した。ケイコ自身も収賄で追及されて影響力を殺がれ、ケンジもクチンスキとの議員買収工作に関与し、追及された。

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