米南方軍司令官が「対VEN工作は機能」と言明

    米南方軍(司令部マイアミ)のクレイグ・フォーラ―司令官は10月5日、起業家や保守派研究者らとの遠隔テレ会合で、マドゥーロVEN政権打倒工作は機能しているが、結果が出るまでには時間がかかる、と述べた。

 VENは、米軍が11月3日の米大統領選挙を前にVENへの軍事工作をする可能性があると見て、長らく警戒してきた。今回のフォーラ―発言を受けても、厳戒態勢を緩める気配はない。

 同司令官は、マドゥーロ政権が持ちこたえてこられた理由として、「キューバが諜報、ロシアが軍事と経済、中国が投資、イランが石油を、それぞれVENに援助してきたため」と分析した。

   また、VENが仮想通貨を用いて、米国による制裁をかいくぐっていると指摘した。VENは、価値がなくなっている通貨ボリーバルでなく、1バレル当たりの国際原油価格(米ドル)に連動する仮想通貨(ペトロ)を用いてきた。

 トランプ米政権はVENだけでなく、キューバとニカラグアの動向も注視している。フォーラ―は、「これら3国は米国にとって脅威」であるとして、米国一国ないし諸国と共に脅威に対応しているとも語った。この場合の「脅威」は「米政府の意志に従わず歯向かう」という意味に近い。

 司令官はラ米一の同盟国コロンビアを礼賛。ブラジル、チリ、エル・サルバドール(ES)も、米国のラ米戦略の重要な連携相手だ。

 会合にはジーン・メイネス副司令官(元駐ES大使)も参加。「COVID19が蔓延する状況の下、コロナ対策を口実に弾圧を強化する国が増えている」と指摘した。

▼ラウール・カストロ第1書記の健康状態に「懸念」

 フォーラ―司令官はキューバについても触れたが、同国の最高指導者ラウール・カストロ共産党第1書記(89)は7月上旬、テレビに登場して以来、公の場に姿を見せておらず、「健康不安説」がささやかれていた。

 マイアミ在住の玖人ジャーナリスト、フアン=フアン・アルメイダは、カストロ体制の内部事情を暴露することで知られるが、10月5日のビデオ番組で、「9月29日火曜日の玖共産党政治局定例会議が開かれなかった」として、「重病」を含むラウールの健康不安説に触れた。

 アルメイダは、故フィデル・カストロの側近だった故フアン・アルメイダ革命司令官の息子。カストロ兄弟の子息たちと幼少時代から親しく、玖政権と袂を分かって出国し、マイアミに定住した後も、政権内部に情報源を持つとされる。

★だがラウールは10月6,7両日、政治局定例会議に出席した。アルメイダ情報は結果的に「バロンデッセ(観測気球)」の役割を果たした。

 同会議でラウールは議長を務め、12月のANPP(人民権力全国会議=立法府)にかける法案や、来年4月開催予定の第8回共産党大会の準備状況について討議した。

 

 

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