キューバが「通貨統合」と賃金・物価政策策定へ

   ミゲル・ディアスカネル玖大統領は10月8日、マヌエル・マレーロ首相と共に記者会見し、伝統的通貨ペソ(CUP)と「代理外貨」とも呼ぶべき兌換ペソ(CUC)の2種類の国内通貨をペソに一本化する「タレア・オルデナミエント」(<整理業務>)を開始すると明らかにした。その詳細は「いずれ発表する」と述べた。

  政府は昨年末、CUC廃止を決定、部分的に使用を禁止してきた。現在、一本化に備え、CUCの使用は大幅に制限されている。国民は政府の要請に従い、CUCのペソへの換金を急いでいる。一本化が成れば、キューバで使用される通貨はペソと、米ドルを中心とする「自由交換通貨」(MLN)と呼ばれる一群の「強い外貨」の2種類となる。

  大統領はまた、向こう数か月内に種々の補助金廃止と併せて労働者の昇給を実施する、と明らかにした。これは物価上昇を伴うが、その上昇を賃金上昇が上回るようにするため、購買力は増えると説明した。

   補助金は「リブレタ」(食料品配給手帳)記載の23品で廃止される。このため、たとえば輸入米1ポンドは、現行の25セントから7ペソ(CUP)へと28倍に上昇する。

  現在の給与・賃金は、週44時間労働で月に最低400ペソから最高2515ペソまで32段階に分けらている。高度技術労働や、重責を担う職場や職位は報酬が高くなる仕組みだ。

  これが昇給で、最低2250ペソ、最高1万3148ペソになるもよう。最低賃金は、「カナスタ・バシカ」(4人家族の月当たり生活日)である1500ペソの1・5倍として計算されている。

  この「補助金廃止・賃上げ・物価上昇」の実施過程で、「兌換ペソ」(CUC)廃止も実施される。CUCは現在、公定で売り24 CUP、買い25CUP。公定は1CUC=1米ドルだが、実勢は1ドル=35CUCになっている。

  通貨統合(一本化)に伴い、革命以来続いてきた「公定1ペソ=1米ドル」は見直され、ペソの大幅切り下げが予想されてる。

   

 

   

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