キューバ大統領が国連民主化を訴え、米政権を糾弾

   ミゲル・ディアスカネル玖大統領は9月22日、国連総会首脳演説会合に向けハバナから遠隔演説し、「国連憲章違反が恒常的に続いているため、かつ諸国民の要求に応えるため」として、国連の民主化を訴えた。

 同時にトランプ米政権を、「顕著に攻撃的かつ腐敗しており、国連機関を財政面で脅している」と糾弾。一方で、世界の軍事費の38%は米国だと指摘した。

 大統領は、トランプ政権を「米国に従わない国々を威圧し、一方的制裁を科している」と非難。「(気に食わない国の政権を)非通常戦争的手段を用いて打倒するのを支援している」と告発した。

 また、トランプ政権は世界保健機関(WHO)、ユネスコ、人権理事会など国連機関から脱退するという「かつてなかったような勢いで」動いていると指摘した。

 コロナ疫病COVID19については、「資本主義の生産・消費システムおよび、市場独裁を押し付けた非人間的政策の失敗によってもたらされた」と、新自由主義経済路線を批判。人間第一主義の総合的政策の策定・実施が急がれる、と訴えた。

 ディアスカネルは、玖ヘンリー・リーブ国際医療派遣団49団の医師ら計3700人が現在49カ国でコロナ禍に対応していると紹介。玖の医療派遣協力事業を米国が妨害していると非難した。この事業は玖国庫にとり重要な外貨収入源。

 対米関係については、「米政府が反玖声明を出さない週は一週もない」と前置き。「なのに在米・玖大使館銃撃事件をテロリズムと非難しないのはどういうことか」と、米政府を非難した。

 この事件は今年4月30日発生、米国人の男一人が自動小銃でワシントンの玖大使館正面に向け30発乱射した。逮捕された男は「殺傷する狙いもあった」と自白している。

 玖大統領は、米国は対玖経済封鎖を強化する一方だと指摘しつつ、「玖国民は革命とともにあり、抵抗し勝利する術を心得ている」と強調した。

▼VEN大統領が演説

 ニコラース・マドゥーロVEN大統領は9月23日、国連総会首脳遠隔演説で、12月6日の国会議員選挙を「透明性ある選挙にする」と強調、国連や欧州連合(EU)に監視団派遣を要請した。また、米国による対玖経済封鎖など敵対行為を厳しく批判した。

 一方、米国に<暫定大統領>に擁立され、世界190余カ国中50数か国からだけ「承認」ないし「支持」されているフアン・グアイドーVEN国会議長は23日、国連総会首脳遠隔演説に割り込み、誰でも視聴可能な非公式の遠隔公開演説でマドゥーロ政権を厳しく非難した。

 グアイドーは「公式に演説した」と装ったが、ディエゴ・アリア元VEN国連駐在大使は23日、「国連はマドゥーロ大統領を認めており、グアイドーの<首脳演説>はあり得ない。グアイドーは単に公開メッセージを発しただけで、偽っている」と暴露した。

  

 

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