ベネズエラ大統領が「反覇権・多極世界構築」訴える
ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は9月21日、国連創設75周年記念首脳演説に先立ちカラカスから世界に向けてビデオメッセージを送り、国際社会は各国民の自決促進のため活動すべきだと訴えた。この発言は、マドゥーロ政権打倒を狙うトランプ米政権と、それに同調する諸国を牽制したもの。
また、「諸国民の制度が尊重される均衡のとれた多極世界を創るか、それとも過去の遺物である覇権主義に支配された世界にするかだ」と前置きし、「帝国も覇権主義もない新しい世界を創ろう。21世紀は諸国人民のためにある」と強調した。
さらに、「我々人類は生命や経済生活を脅かす疫病に苛まれている。今こそ人類の大連帯が必要だ」と指摘した。
大統領は、12月6日実施予定の国会議員選挙に触れ、「国連事務総長に対し、世界に開かれた選挙過程に参加する技術使節団を派遣するよう要請している」と明らかにした。
[マドゥーロは24日、アントニオ・グテレス国連事務総長と遠隔会談し、選挙監視団などの派遣を直接要請した。
▼コロンビア人武装集団と戦闘
VEN軍部が明らかにしたところでは、9月19日、コロンビア国境沿いのアプレ州パエス市内で、コロンビア人非正規部隊とVEN軍が戦闘。COL人14人とVEN軍4人が死亡、軍側数人が負傷した。
負傷者と遺体は、タチラ州都サンクリスト―バル市に搬送された。非正規部隊が装備していた自動小銃、弾薬などが押収された。COL人の遺体はCOL人側が引き取った。
VENはチャベス前政権期から、FARCおよびELN(民族解放軍)の「聖域」になっていると見られてきた。今回のVEN軍の戦闘相手がFARC残党などCOLゲリラなのか、VEN不安定化のため送り込まれた極右準軍部隊なのかは明らかにされていない。
一方米政府は21日、ELN幹部ウィルメル・ビジェガス逮捕に繋がる情報の提供者に賞金500万ドルを与えると発表した。
▼VENが対テロリズム戦略
政権党PSUV(VEN統一社会党)のディオスダード・カベ―ジョ第一副議長(制憲議会議長)は9月22日、米国とコロンビアが関与する対VENテロリズムが激化する気配があるとして「大統領特別部隊」を創設、12月6日の国会議員選挙にかけ全土で厳戒態勢をとると明らかにした。
カベ―ジョは、テロ対象としてPSUVなど政府系政治組織の施設、同組織幹部、石油施設、電力・水道施設などを挙げている。
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