ペルー国会が「大統領不在状態」を決議

   ペルー国会は9月11日、「道徳的不能」を理由に、マルティン・ビスカラ大統領の資格停止=「大統領不在状態」を決議した。これによりビスカラは本会議での釈明を義務付けられた。

  ビスカラは2016年4月の大統領選挙に、PPK(ペルー人は変化を求める)党からPP・クチンスキ(PPK)大統領候補とともに副大統領候補として出馬し当選。クチンスキ大統領が収賄容疑で18年3月退陣したのを受けて、大統領に昇格した。

  16年の選挙戦には、あまり知られていなかったペルー人歌手リチャード・シスネロス(芸名リチャード・スウィング)が応援。そのとき知り合ったビスカラは、大統領就任後、シスネロスに文化省の仕事を9回も与え、総額17万5000ソル(約5万米ドル)を支払った。

  ところが、この契約には不可解な点があると指摘され、文化省は最新の契約を解除した。今年6月から国会で取り上げられ、「大統領の醜聞事件」として膨らんだ。

  AP(人民行動党)、Alpro(進歩のための同盟)、FP(人民勢力=フジモリ派党)、UPP(ペルーのための連合)、SP(我々はペルー)、PP(ペルーは可能だ)野野党6党は9月10日、国会に「大統領不在状態」を決議する緊急動議を出していた。動議は定数130のところ、賛成65、反対36、棄権24で可決された。

  国会はまた、この決議を第1回投票時に可決された者は公職に就けないとする決議をも、賛成111、反対8、棄権8で可決した。

      国会が大統領を弾劾する場合、定数130の3分の2の87議員の賛成が必要。ペルーでは来年4月11日に次期大統領選挙を含む総選挙が予定されている。

▼国会が「弾劾」否決

 ペルー国会は9月18日、野党側の「大統領不在動議」を賛成32、反対87で否決した。マルティン・ビスカラ大統領は、事実上の弾劾決議を乗り切った。 

   

   

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