メキシコ大統領が過去5人の大統領断罪を要請

  メキシコのAMLO大統領が、過去5人の大統領を腐敗、公共資産私物化などの罪で裁くため動き出した。同大統領は9月15日、断罪の是非を有権者に問う「国民への諮問」(コンスルタ・ポプラル)を実施するよう国会上院に要請した。

 大統領は、国民投票に似た同諮問投票を、来年6月6日の下院議員、州知事らの選挙日に実施するよう提案している。

 過去5人の大統領は、カルロス・サリーナス(制度的革命党=PRI)、エルネスト・セディージョ(PRI)、ビセンテ・フォックス(国民行動党=PAN)、フェリーペ・カルデロン(PAN)、エンリケ・ペニャ=ニエト(PRI)。いずれも新自由主義経済政策を推進、富の少数者への集中と大多数の貧困を招いた。

 サリーナスの前の大統領で、新自由主義に着手したミゲル・デラマドリー(PRI)は死去している。その前のルイス・エチェベリ―ア(PRI)までは、民族主義的な開発独裁路線が主流だった。

 AMLOの要請は16日、上院から最高裁に送られた。最高裁が要請を合憲と判断すれば、上下両院が審理。可決されれば、中央選管が投票実施を図る。

 前任者5人を腐敗罪で一挙に裁くというAMLOの前代未聞の決意からは、「新生メキシコ建設には悪しき過去との決別が不可欠」という大統領の信念が窺える。

▼最高裁が認める

 墨最高裁は10月1日、AMLO大統領の上記要請を、判事11人中6人が賛成して可決した。反対した判事たちは「違憲」と主張した。

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