米欧両州などの31カ国がVENに大統領選挙を求める
マドゥーロVEN政権の打倒を目指す米州諸国集団「リマ・グループ」(グリマ)は8月14日、オンライン外相会議を開いた。反マドゥーロ急先鋒のコロンビア大統領イバン・ドゥケの呼びかけで開かれ、欧州諸国なども参加、共同宣言を採択した。
宣言は、①12月6日実施予定のVEN国会議員選挙に反対、②マドゥーロ政権に代わる暫定政権を樹立、③大統領選挙実施、が骨子。トランプ米政権の意向に沿っている。
これには31カ国が賛同した。米州では、伯パラグアイ智ボリビア秘コロンビア赤ハイチRDグアテマラES、HON巴CRバハマ、ガイアナ加セントルシア米の19カ国。欧州は、アルバニア、コソヴォ、エストニア、ラトビア、リトアニア、ウクライナ、ジョージア、ハンガリー英の9カ国。加えて豪韓イスラエル3国。
グリマ原参加国アルゼンチンのフェルナンデス政権は「選挙こそVENで合意された正道」として、宣言には署名せず、VENに「自由で透明な選挙の実施」を要請した。同じく原参加国メキシコはAMLO政権になってから事実上脱退、グリマ会合には参加していない。
ベネズエラ紙ウルティマス・ノティシアス(UN)は15日、上記オンライン会議で、欧州とラ米の有志諸国のVEN問題国際接触グループ(GIC)などが、フアン・グアイドーVEN国会議長を以前のように「VEN暫定大統領」と呼ばなくなったことを指摘した。
トランプ米大統領の安保担当補佐官だったジョン・ボルトンは、著書『それが起きた部屋 ホワイトハウス回顧録』の「自由ベネズエラ」の章で、同大統領がニコラース・マドゥーロ大統領の「強さ」を繰り返し評価し、「暫定大統領」に擁立したグアイドーを「持つべきものに欠ける子供」と矮小化したことを暴露している。
UN紙は、グアイドーの呼称の<格下げ>について、ボルトン本が示すとおりになったと書いている。
ラ米有識者の間では、今回の「31カ国宣言」は、米大統領選挙で劣勢にあるトランプへの外交面での援護射撃と受け止められている。
▼国連安保理がイラン武器禁輸否決
安保理は8月14日、米国が提案した対イラン武器禁輸の延長決議案を否決した。賛成は米国とRD(ドミニカ共和国)、反対は中露両国。英仏独など他の11カ国は棄権した。
「米国の孤立」、「トランプ政権への痛烈な打撃」と捉える報道が目立つ。
▼VEN大統領がコロンビアを糾弾
反VEN政権の急先鋒、コロンビアのイバン・ドゥケ大統領は8月17日、ボゴタでトランプ米大統領の 国家安保担当補佐官ロバート・オブライエン一行と会談、マドゥーロ政権への対応策で協議。記者会見で「マドゥーロ打倒」を唱えた。
両国はまた、米国がコロンビアの経済成長、麻薬対策などに協力する新協定「コロンビア・クレセ」(コロンビアは成長する)を結んだ。
一方、ニコラース・マドゥーロ大統領は同日カラカスで、「ドゥケよ、君は虐殺事件など自国の惨憺たる状況に対処すべきだ。君が何を言おうと意味はない」と扱き下ろした。
オブライエン補佐官は17日、ボゴタからパナマ市に飛び、ラウレンティーノ・コルティーソ巴大統領と両国関係をめぐり会談した。
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