ベネズエラがブラジルとの関係改善に動く

 ベネズエラが南の隣国ブラジルとの関係改善に動き出した。西の隣国コロンビアが米国と組んでVENに軍事攻撃をかける可能性が出ている今、南部国境の安寧を保ちたい思惑が窺える。

 極右のジャイール・ボウソナロ大統領の伯政権はトランプ米政権と緊密で、マドゥーロVEN政権との関係は冷ややかで低迷している。 

 ホルヘ・アレアサVEN外相は8月27日、伯外相経験者であるセルゾ・アモリム、アソイジオ・ヌネス両氏と遠隔会談し、イデオロギーの違いを超えて対伯関係を再構築したいと伝え、エルネスト・アラウージョ伯外相への仲介を依頼した。

 アレアサは7日、アラウージョに書簡で、コロナ疫病対策での協力を呼び掛けている。

 アレアサは今回、コロナ対策だけでなく、安全保障、通商維持、活動停止状態にあるウナスール(南米諸国連合)の活性化など、広範な問題を話し合いたいと伯側両氏に伝えた。

▼VEN外相が国連改革を求める

 J・アレアサ外相は8月26日、「グローバル統治と開発」と題して開かれた国内会合で、国連は「一国支配」を止めさせるためにも改革すべきだ、と述べた。「一国」とは、VENが軍事攻撃を警戒している米国を指す。

 アレアサはまた、国連の他に国際通貨基金(IMF),世界銀行、北大西洋条約機構(NATO)なども、諸国民のために役立つよう改革せねばならない、と指摘した。

 さらに、VEN はロシア、インド、中国、南アフリカなど新興経済大国との関係を重視すると述べた。

▼伯がVEN駐在官を「好ましからざる人物」に指定

 ブラジル外務省は9月4日、VEN在伯外交官35人を「好ましからざる人物」に指定した。だが出国命令は出さず、希望者は外交官資格無しで滞在可能とした。

 断交通告もしていない。だが8月末に関係改善を求めたVENに拒否の返事を突きつけたことになる。背景には、対VEN敵対政策をとるトランプ米政権の意向がある。

▼伯がVEN外交官の外交官特権剥奪

 ブラジル政府は9月18日、在伯VEN人外交官の外交官特権を剥奪、外交官専用車使用などを禁止した。決定は、同日のマイク・ポンぺオ米国務長官の伯ボアヴィスタ市訪問に合わせて為された。

 

 

 


 

 

  

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