ルビオ米議員がトランプにベネズエラ侵略を進言

 米共和党キューバ系右翼のマルコ・ルビオ上院議員は最近、11月3日の米大統領選挙でラテン系票を固めるためにベネズエラに軍事攻撃をかけるべきだと、再選を狙うドナルド・トランプ大統領に進言した。軍事侵攻があるとすれば10月が有力視されている。

 メキシコの「ラ・ポリティカ・オンライン」が8月24日伝えたところでは、ルビオの地元フロリダ州にはラテン系住民が多いのだが、VENを侵略しマドゥーロ政権を倒せば、同州の「大統領選挙人29人を獲得できる」とルビオは述べた。

 米軍が軍事攻撃をかける場合、VENと2200kmの国境を共有する隣国コロンビアを前進基地に使う公算が大きい。同国内には米軍がコロンビア軍と共同使用している軍事基地7カ所がある。

 トランプ大統領のロバート・オブライエン国家安保担当補佐官は8月17日、コロンビアを訪問、イバン・ドゥケ同国大統領と対VEN戦略について協議した。補佐官には米軍の「ラ米探題」である南方軍のクレイグ・フォーラ―司令官が同行した。

 補佐官訪問の後、ブラディーミロ・パドゥリーノVEN国防相は、コロンビアからのいかなる軍事侵攻にも対応する態勢を整えている、と表明した。

  このほど、ドゥケが公言した「VENがイランからミサイルを買おうとしている」との見方は、「米・コロンビア連合軍」がVENを攻撃する可能性のある緊張した状況下で出てきた。

 ニコラース・マドゥーロ大統領は、「買い付け説」は否定せずに、「VENはロシア製最新型の地対地・地対空ミサイルを要所要所に配備している」と語っている。

    一方、ラ米情勢専門家筋によれば、米国のマイク・ペンス副大統領とマイク・ポンぺオ国務長官はホワイトハウス内の右翼で、ルビオと肌合いが合う。だがペンスとポンぺオは昨年、VEN侵攻を主張した当時のジョン・ボルトン大統領国家安保担当補佐官に反対、それがボルトン更迭の主要な原因の一つになったという。

 同筋は、ルビオのVEN侵略の進言も、ペンスとポンぺオの反対に遭う可能性があるが、対立候補に支持率で水をあけられているトランプが形振り構わずVEN攻撃に出る公算は少なからずあると見ている。

▼コロンビア元上院議員が指摘

 著名な人権活動家であるピエダー・コルドバ元議員は8月26日、コロンビアは米軍のベネズエラ攻撃のための基地になっている、と指摘した。


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