「私は米-コロンビアの暗殺の標的」とベネズエラ大統領

  ベネズエラのニコラース・マドゥーロ大統領は8月23日、ジャーナリストであるエルネスト・ビジェガス文化相によるインタビューで、(トランプ米政権になってからの)過去数年来、米国が首謀しコロンビアが共謀する自身(マドゥーロ)および、VEN民・軍体制指導部を暗殺する陰謀が続いている、と語った。

 一例として、18年8月4日カラカス市内の目抜き通りで催された国家警備隊(GNB)式典のさなか、飛来したドローン1機が大統領らのいた場所の上空で爆発した事件を挙げた。このインタビューは国営テレビ(VTV)で伝えられた。

 マドゥーロ政権は昨年、トランプ政権による実体のない「グアイドー傀儡政権」擁立などをめぐり、米・コロンビア両国と断交した。米国の対VEN外交前進拠点は、コロンビアの首都ボゴタだ。このため米・コロンビア両国の対VEN戦略は一層緊密に協議・策定されている。

 大統領はまた、トランプ大統領のエリオット・エイブラムス対VEN特使が米議会で先ごろ、「今年12月までにマドゥーロを排除すると発言した」として、「彼の(国家テロ)犯罪歴からすれば、警戒すべき発言だろう」と指摘した。

 マドゥーロは前日22日には、「ボリーバル主義人民会議」(CBP)のテレ会合で、コロンビア大統領イバン・ドゥケを非難した。ドゥケはこのほど、「VENはイランから短・中距離ミサイルを買っている」と証拠を挙げずに発言、「ロシアとベラルーシが介在している」ことを示唆した。

 マドゥーロはこれを受けて、「そうか、そうだった。イランは技術が優れている。ドゥケよ、ではミサイルを買い付けるとするか」といなした。

 また「VENにはロシア製最新型の地対地・地対空ミサイルが配備されており、この点はラ米一だ」と述べた。しかし「イランからの買い付け」自体は否定しなかった。

▼イランと米国も言及

 イラン外務省は8月25日、同国とベネズエラは「仲介者を全く必要としない」と表明した。これはコロンビアのイバン・ドゥケ大統領が「ロシアとベラルーシが(ミサイル取引の)仲介をした」と示唆する発言をしたのを受けたもの。

 一方、マイク・ポンぺオ米国務長官は25日、「VENがイランから殺傷力の強い兵器を買うという情報には驚かない。これぞまさに、我々がイランへの国連制裁を再開させたい理由だ」と述べた。

▼VEN外相が反論

 ホルヘ・アレアサVEN外相は8月25日、ポンぺオ発言を受け、「世界平和の最大の脅威は、(広島・長崎の)文民たちに原爆を投下し、ヴェトナムでナパーム弾を使い、虚報に基づきイラクを侵略した米国だ」と糾弾した。

 

 

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