メキシコで前・元政権絡む一大汚職事件明るみに
メキシコ政界が前・元政権の汚職問題で揺れている。エンリケ・ペニャ=ニエト(EPN)前大統領期にPEMEX(国営石油会社)総裁だったエミリオ・ロソーヤ被告が司法取引に応じて事実を暴露したからだ。
事の起こりは2017年8月、ラ米最大級のブラジルの建設会社オデブレシ―(オデブレヒト)の元重役たちが、ロソーヤ総裁に1000万ドルの賄賂を渡したと証言したこと。
これを受けて、メキシコの腐敗と無処罰に反対し摘発する組織も、EPNは2010~13年に、当時オデブレシ―社長だったマルセロ・オデブレシーに4回会ったと証言した。
ロソーヤはスペインに出国したが、20年2月逮捕され、7月半ばメキシコに送還された。検察との司法取引で、EPNおよび、EPN政権で財務相、外相を務めることになったルイス・ビデガライから迫られ、12年の大統領選挙に出馬していたEPNの陣営に選挙資金として1億ペソ(450万ドル)をPEMEXが出したと明らかにした。
大統領に就任したEPNは、「選挙の功労者に渡す資金」として5億ペソ(2250万ドル)出すよう命じた。ロソーヤはこれに従った。この資金がどこに消えたか不明だ。
ロソーヤはまた、EPNの前の大統領フェリーペ・カルデロンが、PEMEXの油化施設建設時の09年、オデブレシ―との贈収賄事件に絡んでいたことも暴露した。
AMLO現大統領は、ロソーヤから名を挙げられた者は検察に出頭すべきだ、と述べた。カルデロンは06年の大統領選挙の開票時の不正でAMLOの勝利を奪ったとされている。このため「AMLOの真の標的はEPNでなくカルデロン」という見方がある。
一方、EPN政権で社会開発相と農村・地方・都市開発相を務めたロサリオ・ロブレスは、公金150億ペソ(6億7500万ドル)の不正流用事件で昨年8月に収監され、1年が経った。だが9月末にも自宅軟禁処分になるもよう。
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