ノルウェーが「ベネズエラ問題」仲介外交再開へ

 ノルウェーは、2019年5月ごろから「ベネズエラ(VEN)問題」解決のためのVEN政府と反政府野党勢力との間で仲介の労をとってきたが、このところ仲介外交を再開させる動きを見せている。

 19年4月末、暴力政変肯定派のVEN極右政党「人民意志」(VP)所属のフアン・グアイドー国会議長、自宅軟禁から不法に解放されたVP指導者レオポルド・ロペス逃亡受刑囚らは、トランプ米政権と謀って、ニコラース・マドゥーロ大統領体制を打倒する軍事クーデターを打ち、失敗した。

 軍事蜂起に賛同する軍人がほとんどいなかったためで、ロペスはカラカスのスペイン大使館に亡命。同大使公邸に住んで、反政府行動の画策を続けている。

 ノルウェーはクーデター失敗を機にオスロに政府、反政府野党両派を招いて対話を図ったが、物別れに終わった。次いで7月、バルバドスでの会合もうまくいかなかった。いずれも反政府野党側が「歩み寄り対話」を拒否したからだが、その後、政府側は米国による経済封鎖などを理由に対話を打ち切った。

 今年1月、ノルウェー政府は特使をカラカスに派遣したが、反政府派は特使との話し合いに応じなかった。最近、新たな特使外交が始まりつつあるが、それは米大統領選挙の選挙戦が8月から本格化し、米政府部内でVEN問題が後回しになると予想され、生じる「空白」が対話交渉の好機と考えられるからだ。

 米国放送「ヴォイス・オブ・アメリカ」(VOA)は7月27日、ノルウェーは「米国では共和・民主両党が一致してVEN政治の民主化を求めている」という見方・立場に必ずしも立たないのではないか、と伝えている。

 ノルウエーは、米国も同意する「VEN問題」解決合意は11月の米大統領選が済むまで実現しないとみており、それまでの「空白」期間に新たな交渉機運構築に動き出したようだ。VOAは、そう見ている。
 
 VENでは12月6日に国会議員選挙が実施される。「選挙では勝てない」と考えるVPは従来通り暴力的政変に固執。他の右翼・保守政党も選挙ボイコットを表明している。だが穏健・中道諸野党は選挙参加を決めている。

 ★マドゥーロ政権は、米大統領選挙戦で民主党のジョー・バイデン候補に差を付けられているドナルド・トランプ大統領が不利な状況を逆転させるため、軍事力でマドゥーロ体制を倒しに来る可能性があると警戒している。

   ホルヘ・ロドリゲスVEN情報通信相は7月29日、カラカスでノルウェー特使と会談した、と明らかにした。

 
 


 

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