カラカスにイランと合弁の巨大Sマーケット開く

 ベネズエラ首都カラカスに7月29日、イラン資本との合弁で、巨大なスペルメルカード(SM=スーパーマーケット)「メガシス」が開店した。米国に厳しく経済封鎖されている両国は、主権を行使して抵抗の意志を明確に示したと言える。

 開店式に出席したH・スルタン駐VENイラン大使は、「イランには自由交易の完全な権利がある」と強調した。

 メガシスには、イランでSMチェーン700店を経営する実業家イッサ・レザエイ氏とVEN企業などが初期投資1000万ドルを投下している。食品を中心にイラン産品2500種類、果実などVEN産品1000種類が販売される。

 広大な用地では、かつてフランスとコロンビアの資本で建設されたSM「エキシト」があった。これをチャベス前政権が2010年に接収。最近は、マドゥーロ政権支持派への食糧供給制度「CLAP」(クラップ)の物資集積所になっていた。これを改造したのがメガシスだ。「巨大なオアシス」という意味だろう。

 メガシスを30日視察したデルシー・ロドリゲス副大統領は、「米国から封鎖されている我々両国の協力の賜だ。独立、自由、主権防衛の意志があれば、封鎖は利かない」と述べた。副大統領は、イランのハッサン・ロウハニ大統領に謝意を表明した。

 これに対し、米国務省ラ米担当者はワシントンで、「この店(メガシス)は、両パリアー国家の同盟関係を示している」と扱き下ろした。

 イランは最近、タンカー6隻をVENに派遣、計150万バレルの原油や石油製品を届けた。産油国VENは、原油生産・精製能力が落ち、ガソリン不足などに陥っている。メガシスに並べられている商品は6月にイランの貨物船が運び込んでいた。

 
 

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