ニカラグアでサンディニスタ革命41周年式典

 ニカラグア首都マナグアの「革命広場」で7月19日、ソモサ3代独裁体制を倒したサンディ二スタ革命の41周年記念式典が催された。コロナ疫病COVID19への警戒から、今回はマナグア湖畔の広大な「ヨハネ=パウロ2世教皇広場」(「信仰広場」)でなく、旧大聖堂前の革命広場で実施された。

 開場では、学生らサンディ二スタ青年部の若者多数が円形に並んで着席。中央部の貴賓席にダニエル・オルテガ大統領、ロサリオ・ムリージョ副大統領(オルテガ夫人)、閣僚、軍・警察高官らが陣取る。大統領以下、若者たちまで全員がマスクを着けていた。

 コロナの状況は 政府発表で感染者2200人、死亡99人、民間団体の集計で感染者8500人、死亡2400人。詩人でもあるムリージョ副大統領が自作の詩を朗読した後、オルテガ大統領が1時間に亘って演説。コロナ感染状況から始めて、医療保健政策、病院建設など医療面を中心に施政の成果を強調した。

 演説の終わりの方で、「ニカラグアは米帝国主義に攻撃されている」と口にし、「勇気あるニカラグア人民は屈しない」と叫び、「サンディーノは生きている」「闘いは続く」「自由な祖国を」とスローガンを唱えて締めくくった。

 反政府派は数日前からマナグアなどで反政府集会やデモ行進をしてきた。野党勢は今年1月、「国民連合」(CN)を結成したが、参加しない政党もあって、分裂を克服できないままだ。

 来年2021年11月7日次期大統領選挙と国家議員選挙が実施される予定。2006,11,16年と3度の選挙で連続3選してきたオルテガが、ムリージョと組んで4選出馬するのは確実。74歳の大統領は勝てば4期目を75歳から80歳までの5年間担うことになる。

 反政府派は18年4月、政府の社会保障政策に異議を唱えて街頭行動に出た。政府の腐敗、警察の暴力などにも反対して街頭行動は激化。米国の支援もあって、今日まで街頭行動は断続的に続いている。

 これまで街頭行動をめぐる死者は330人ないし570人、負傷者は1500~2800人、逮捕者は600~1500人に上っている。

 トランプ米政権は、ジョン・ボルトン安全保障担当大統領補佐官が居た18年に「ベネズエラ、キューバ、ニカラグアは専横のトロイカ」と呼んだが、同3国への締め付け政策をとってきた。

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